第64章 小泉さんの贈り物

南雲玲奈が声のしたほうへ目をやると、パーティー会場の入口に、見覚えのある二つの影が現れた。

一人は今村爺さん。

今日はきちんとしたスーツ姿で、車椅子ではない。手には杖をつき、歩みこそゆっくりだが、背筋はまっすぐで威厳がある。

その隣に立つのは今村栞。

深いネイビーの星空ドレスを纏い、肩までのボブはゆるく巻かれていて、優雅さの中に切れ味のいい雰囲気があった。

二人が姿を見せた瞬間、会場は当然のようにどよめく。

「今村さんだ……え、彼女まで来たの? 隣の方って、まさか今村爺さん? 横尾家、あの大物まで呼べるのかよ」

「今村爺さんだ! でも……横尾家のためとは限らないだろ。前のパーテ...

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